短編恋愛小説

サヨナラを決めた彼の部屋から持ち帰ったお泊りセット

目黒の大鳥神社交差点近くに、仕事部屋として1DKのマンションを借りたのは昭和の終わりごろ。息子は鎌倉市七里ガ浜の実家から歩いて行ける小学校に入学し、私が都内に行っているあいだは祖父母が面倒を見てくれた。明けても暮れても台本を書きまくり、テレビ局・ラジオ局での収録、音楽スタジオでのリハーサルに立ち会うのがルーティーン。構成を担当したコンサートツアーにくっ付いて行き、ミュージシャンたちと地方で美味しい […]