またあそぼ|迷子になって初めてブランコを漕げた徳島の森
大家族で住んでいた小松の家を夜逃げする前に、3歳のころ、徳島に住んでいたことがある。銀行員だった父の転勤で引越したと思うのだが、どんな形の家だったか、どれくらい住んでいたかの記憶は薄く、思い出すのはイヤなことばかりだ。 当時の私はワガママすぎる幼児で、欲しいものがあれば手に入れずにはいられなかった。人形を買って欲しかったのに、きっとそれは高価だったのか、母は「絵本にしなさい」と勝手に […]
大家族で住んでいた小松の家を夜逃げする前に、3歳のころ、徳島に住んでいたことがある。銀行員だった父の転勤で引越したと思うのだが、どんな形の家だったか、どれくらい住んでいたかの記憶は薄く、思い出すのはイヤなことばかりだ。 当時の私はワガママすぎる幼児で、欲しいものがあれば手に入れずにはいられなかった。人形を買って欲しかったのに、きっとそれは高価だったのか、母は「絵本にしなさい」と勝手に […]
8月のある朝、私は愛媛県の松山駅を始発に新居浜駅へ向かう中距離バスに乗っていた。路面電車が走る市街地の一般道から松山自動車道に入ったころにはすっかり汗もひいて、エアコンの効いた車内では数組の客が聞き覚えのある方言で談笑している。窓枠に頬杖をついて夏空を見上げると、美術館の水彩画のように爽やかな青と真っ白な雲が、涼しげに伴走してくれることで目が和んだ。 四国に来たのは、小学生のとき叔父 […]
でんしゃのまどから 見える赤い屋根は 小さいころぼくが すんでたあの家 にわにうめた柿のたね 大きくなったかな クレヨンのらくがきは まだかべにあるかな 今は どんなひとが すんでるあの家 せのびして見ても ある日赤いやねは かくれてしまったよ ビルのうらがわに いつかいつかぼくだって 大人になるけど ひみつだったちか道 はらっぱはあるかな ずっと心の中 赤いやねの家 ©Copyright 織田ゆ […]